ミュージカル『エリザベート』で描かれる華麗な皇后エリザベート。
しかし史実の彼女は、華やかなイメージとは裏腹に意外な一面もあったのです。
エリザベートの人生や家族とのすれ違い、絆について史実をもとにまとめてみた記事はこちら。
中でも、「実は歯並びにコンプレックスを抱えていた」というエピソードは、エリザベート皇后の繊細で完璧主義な一面を象徴しています。
この記事では、「エリザベート皇后の歯並びの噂」をはじめ、彼女にまつわる意外なエピソードをまとめました。
秘められた史実を知ることで、ミュージカル『エリザベート』の世界がより深く、リアルに感じられるかもしれません。

美貌の皇后として有名なエリザベートの、知られざるエピソードを紹介していきます!
エリザベート皇后の歯並び事情|なぜ噂になった?

エリザベートは若い頃は美貌の象徴とされ、特に豊かな髪やすらりとしたスタイルが絶賛されていました。
しかし、実は「歯並びに強いコンプレックスがあった」とも言われています。
歯並びを気にするようになったきっかけは、姑ゾフィー?
エリザベートが自分の歯並びを気にするようになったきっかけは、姑である大公妃ゾフィーから、
「あなたは顔は美しいが歯並びが悪い」
「歯が黄色い」
と指摘されたことがきっかけとの説も。
この言葉がきっかけでエリザベートは口元を気にするようになり、年齢を重ねるごとにますます口を開かなくなったとも伝えられています。
ミュージカル『エリザベート』でも歯について歌っている楽曲がある
ミュージカル『エリザベート』でも、「皇后の務め」という楽曲の中で、
(ゾフィー)「歯を見せて」
(ゾフィー)「黄ばんでいるわね」
(シシィ)「磨きますわ」
(ゾフィー)「真っ白になるまで」
という歌詞があります。
エリザベートは中年期以降は人前でほとんど口を開けなくなり、笑顔を見せることも極端に減ったそうです。
これには年齢による外見の変化への恐れだけでなく、歯並びに対する強いコンプレックスも影響していたのではないでしょうか。
見た目への強いこだわりと、完璧であり続けようとするプレッシャーが、彼女をより孤立させた要因だったのかもしれません。
エリザベートと言えば扇を持っているイメージがありますが、扇で顔や口を隠すためだったとも言われています。
扇は皇后らしい威厳を表現していただけでなく、エリザベートの心を守るものでもあったのですね。
美容への執着|1日3時間かけたヘアケア、過剰なダイエット

エリザベートの髪は、膝まで届く長さだったと伝えられています。
彼女はその美しい髪を維持するために、毎日3時間以上かけてケアを行っていました。
また、過剰とも言えるダイエットに励み体型を維持していました。
美しい長い髪への異常なこだわり
エリザベートの膝まで届く美しい髪は、彼女の象徴でした。
この髪を維持するために、彼女は毎日3時間以上かけてメンテナンスを行い、抜けた髪の毛の本数までメイドに数えさせていたそうです。
少しでも抜け毛が多いと食事制限を行うなど、そのストイックさは周囲を驚かせました。
ダイエットと運動中毒
身長170cm、体重40kg台という体型をキープするため、エリザベートは驚異的な量の運動をこなしていました。
ハイキングでは兵士並みの速度で山を登り、同行した貴族たちが脱落するほどだったとか。
摂食量も極端に少なく、まさに「生きるために食べる」のではなく「痩せるために生きる」ような生活を送っていたと伝わります。
この異常なまでの美容へのこだわりは、自己肯定感の低さや加齢への恐れとも深く関係していたと考えられています。
乗馬に情熱を注いだ皇后

エリザベートは乗馬にも情熱を注いでいました。
宮廷生活に息苦しさを感じた彼女にとって、馬と過ごす時間は「自由」を感じられる貴重なひとときだったのでしょう。
エリザベートの乗馬技術は群を抜いており、「ヨーロッパ屈指のアマチュア乗馬家」と評されるほどでした。
狩猟にも果敢に参加し、男性顔負けの腕前を見せるなど、単なる趣味を超えた本格的な活動をしていたことがわかっています。
乗馬のトレーニングはハードで、体型維持にも一役買っていました。
ダイエットも兼ねてエリザベートは乗馬にのめりこんだのかもしれません。
スピリチュアルな一面もあった?

エリザベートは、霊的な世界や運命論にも強い関心を持っていたと伝えられています。
エリザベートは人生の節目や悩みの時期に、占い師や霊媒師に助言を求めていたと伝えられています。
旅先でもスピリチュアルな儀式に参加することがあり、彼女の孤独な心を支えていたのは目に見えない世界だったのかもしれません。
エリザベートは詩作を通してたびたび「死への憧れ」を綴っています。
特に長男ルドルフの死後は心のバランスを崩し、現実世界よりも霊的な世界に心を寄せるようになったとされています。
生涯を通じて、彼女は生きることと死ぬことの間で揺れ続けていました。
タトゥーを入れたという噂も?

意外なことに、「エリザベートはタトゥーを入れていた」という説も存在します。
これは晩年、旅先で船乗りたちと親しくなった際、足首に錨(いかり)のモチーフのタトゥーを入れたと伝わる逸話からきています。
真偽は不明ですが、もし事実なら当時の王侯貴族としては異例なこと。
錨のタトゥーは、エリザベートがどれだけ宮廷のルールや束縛から解き放たれた自由を求めていたかを象徴するものです。
形式に縛られることを何よりも嫌った彼女らしい、小さな反抗だったのかもしれません。
まとめ|「完璧な皇后像」の裏に隠された、本当のシシィ
美しさ、孤独、自由への渇望。
エリザベートの人生は、華やかな外見とは裏腹にさまざまな葛藤と秘密に満ちていました。
歯並びへのコンプレックス、異常な美容への執着、乗馬への情熱、そしてスピリチュアルな世界への傾倒。
こうした側面を知ることで、私たちはミュージカル『エリザベート』だけでは描ききれない、彼女の「人間らしさ」に触れることができます。
少し意外なエピソードも交えながら、史実のエリザベートに思いを馳せてみてくださいね。
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