ミュージカル界を代表する名作『エリザベート』。
東宝版は2000年の初演以来、豪華キャストによって何度も上演され、公演ごとに異なる魅力を放ってきました。
この記事では歴代の東宝『エリザベート』キャストを振り返りながら、次回のエリザベート役を予想します!

過去の配役傾向やミュージカル界の動向をもとに、今後のエリザベート役にふさわしい実力派女優を考察します。


東宝版『エリザベート』歴代キャスト一覧
初演の2020年から直近の2022年公演まで、メインキャストを振り返ってみましょう。
2020年公演は新型コロナウイルスの影響で、全日程中止となっています。
公演年 | エリザベート | トート | ルキーニ | フランツ | ルドルフ | ゾフィー | マダム・ヴォルフ | エルマー |
2000年 | 一路真輝 | 山口祐一郎 内野聖陽 | 高嶋政宏 | 鈴木綜馬 | 井上芳雄 | 初風諄 | シルビア・グラブ | 今拓哉 |
2001年 | 一路真輝 | 山口祐一郎 内野聖陽 | 高嶋政宏 | 鈴木綜馬 | 井上芳雄 | 初風諄 | 伊藤弘美 | 今拓哉 |
2004年 | 一路真輝 | 山口祐一郎 内野聖陽 | 高嶋政宏 | 鈴木綜馬 石川禅 | 浦井健治 パク・トンハ | 初風諄 | 伊藤弘美 | 今拓哉 |
2005年 | 一路真輝 | 山口祐一郎 内野聖陽 | 高嶋政宏 | 鈴木綜馬 石川禅 | 浦井健治 パク・トンハ 井上芳雄 | 寿ひずる 初風諄 | 伊藤弘美 | 藤本隆宏 |
2006年 | 一路真輝 | 山口祐一郎 武田真治 | 高嶋政宏 | 鈴木綜馬 石川禅 | 浦井健治 パク・トンハ | 寿ひずる 初風諄 | 伊藤弘美 | 藤本隆宏 |
2008年 | 涼風真世 朝海ひかる | 山口祐一郎 武田真治 | 高嶋政宏 | 鈴木綜馬 石川禅 | 浦井健治 伊礼彼方 | 寿ひずる 初風諄 | 伊藤弘美 | 中山昇 |
2010年 | 涼風真世 瀬奈じゅん | 山口祐一郎 石丸幹二 城田優 | 高嶋政宏 | 石川禅 | 浦井健治 伊礼彼方 田代万里生 | 寿ひずる 杜けあき | 伊藤弘美 | 岸祐二 |
2012年 | 瀬奈じゅん 春野寿美礼 | 山口祐一郎 石丸幹二 マテ・カラス | 高嶋政宏 | 石川禅 岡田浩暉 | 大野拓朗 平方元基 古川雄大 | 寿ひずる 杜けあき | 伊藤弘美 | 岸祐二 |
2015年 | 花總まり 蘭乃はな | 城田優 井上芳雄 | 山崎育三郎 尾上松也 | 田代万里生 佐藤隆紀 | 古川雄大 京本大我 | 剣幸 香寿たつき | 未来優希 | 角川裕明 |
2016年 | 花總まり 蘭乃はな | 城田優 井上芳雄 | 山崎育三郎 成河 | 田代万里生 佐藤隆紀 | 古川雄大 京本大我 | 涼風真世 香寿たつき | 未来優希 | 角川裕明 |
2019年 | 花總まり 愛希れいか | 井上芳雄 古川雄大 | 山崎育三郎 成河 | 田代万里生 平方元基 | 京本大我 三浦涼介 木村達成 | 剣幸 涼風真世 香寿たつき | 未来優希 | 植原卓也 |
2020年 (中止) | 花總まり 愛希れいか | 井上芳雄 古川雄大 山崎育三郎 | 尾上松也 上山竜治 黒羽麻璃央 | 田代万里生 佐藤隆起 | 三浦涼介 | 剣幸 涼風真世 香寿たつき | 未来優希 | 植原卓也 |
2022年 | 花總まり 愛希れいか | 井上芳雄 古川雄大 山崎育三郎 | 上山竜治 黒羽麻璃央 | 田代万里生 佐藤隆紀 | 甲斐翔真 立石俊樹 | 剣幸 涼風真世 香寿たつき | 未来優希 | 佐々木崇 |
2015年からマダム・ヴォルフ役を務めている未来優希さんは、エリザベートの母ルドヴィカと二役を演じています。
宝塚在団中から迫力の歌唱力に定評がある、未来さんの演じ分けにも注目したいところです。
次のエリザベート役は誰?選ばれる条件を考えてみた

帝国劇場がリニューアルで閉館したこともあり、次回の『エリザベート』については何も発表されていません。
2015年から4度(2020年を除く)に渡ってエリザベート役を演じた花總まりさんは、「2022年公演が集大成」と発表しているため今後は出演しないものと思われます。
宝塚在団中は12年以上もの歴代最長のトップ在籍期間を誇り、宝塚史上唯一エリザベート役を2度演じた花總さん。
2022年に有終の美を飾ることとなりました。
次回以降花總さんが出演しないとなると、誰がエリザベート役を務めるのでしょうか。
過去の公演の動向から予想してみました!
条件①宝塚歌劇団出身者に限る
元々『エリザベート』は、宝塚歌劇団が1996年に日本で初演したことから人気となった作品です。
これが理由なのか分かりませんが、主役であるエリザベートは毎回宝塚出身の俳優が演じています。
ちなみに『エリザベート』を宝塚で初演した際、男役を主役に置かなければいけないことからトート(死)をメインに物語を構成したことで「宝塚はウィーン版(原作)を改ざんしている」と批判を受けたと言われています。
このことから、東宝版『エリザベート』はウィーン版に寄せた構成となっています。
条件②男役、娘役は問わない
東宝の初演である2000年は元雪組トップスターの一路真輝さんがエリザベート役を務めました。
一路さんは退団公演で日本初演、雪組『エリザベート』でトート役を演じており、エリザベート役に抜擢されたことは大きな話題を呼びました。
その後も男役トップスター経験者がキャスティングされることが続き、「エリザベートは元男役トップじゃないと選ばれないのか?」と思いきや…
2015年に満を持して花總さんがエリザベート役を飾りました!
ダブルキャストは元花組の娘役トップ、蘭乃はなさんでした。
男役、娘役の縛りはなさそうです。
条件③ある程度の歌唱力は必要
『エリザベート』と言えば素晴らしい楽曲の数々。
エリザベートが自由を求めて高らかに歌い上げる『私だけに』は何度聴いても鳥肌モノです。
キーが高く難しい曲ということもあり、ある程度の歌唱力は必要となります。
最近はお歌がイマイチなトップさんはあまりいませんが、少し絞られてくるかと思います。
次回のエリザベート役を予想してみよう
3つの条件を踏まえて、次回のエリザベート役を予想してみました。
個人の勝手な想像を書いていますのでご注意ください。
予想①明日海りおさん
最有力候補とも言えるのが、元花組男役トップスターの明日海りおさんです。
これまでのキャスティングを見ても、宝塚時代にトートを演じた男役トップスターがエリザベートに選ばれているケースがあります。(瀬奈じゅんさん、春野寿美礼さん)
歌唱力、ビジュアル、2014年の花組『エリザベート』でトートを演じていたことから、次回のエリザベート役に選ばれる可能性が高いと考えられます。
予想②星風まどかさん
元花組娘役トップスター、星風まどかさんも有力候補と言えるでしょう。
宝塚退団後、『ラブ・ネバー・ダイ』のメグや、『1789-バスティーユの恋人たち-』のオランプなど数々の大作に出演が決まっています。
2016年の宙組『エリザベート』の新人公演でエリザベートを演じた経験もあり、キャスティングされる可能性大です。
可憐な容姿、凛とした歌声もエリザベートに合うこと間違いなしですね。
予想③柚香礼さん
どうかな…と思いつつ見てみたいのは元花組男役トップスターの柚香礼さん。
柚香さんは2014年花組公演、明日海りおさんがトート演じられた『エリザベート』の新人公演でトートを務めています。
ビジュアルは間違いなくバッチリでしょう。
お芝居も上手ですし、少女から老いた姿までエリザベートの人生を見事に演じられるのではないでしょうか。
問題はお歌が…少し心配ではありますが…。
鏡の間で凛とした姿でたたずむ白いドレスの柚香さんが見たい!というのが願望を含めた予想です。
予想④凪七瑠海さん

明日海りおさんとダブルキャストだったら面白いな、という私の希望的観測ですが、凪七瑠海さんもアリだなと思います。
凪七さんは2009年の月組公演で当時宙組所属の若手男役でありながら、組を超えて特別出演しエリザベート役を演じた経験があります。
当時は大きな話題となりました。
退団後初の出演となる舞台『1789-バスティーユの恋人たち-』でマリー・アントワネット役を演じることもあり、話題に事欠きませんね。
月組公演でエリザベート役が決まった時は良くも悪くも様々な意見がありましたが、見事にはねのけて演じきった印象です。
気品があり強い意志を持った凪七さんのエリザベートを、もう一度見てみたいですね。
トップスターを経験していないため選ばれるかは微妙なところですが、専科として長年貢献してきた実績が評価されると良いですよね。
東宝版『エリザベート』の次回上演は未定!キャスティングを予想して楽しもう
東宝版『エリザベート』について、現在のところ次回公演に関する発表はありません。
帝劇が閉館してしまいましたが、帝劇で上演されるのが恒例だった『1789-バスティーユの恋人たち-』が明治座での上演が決定していることから、別の劇場で上演されることも考えられますね。
東宝から発表があるその日まで、誰がキャスティングされるのか考えながら楽しみに待ちましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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